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    2025.11.07
    【社会福祉学科】研究紹介(加藤先生) 11/7 NEW!
私は、介護福祉士養成に関する科目を中心に授業を担当するほか、卒論ゼミや大学院生の研究指導も行っています。
以下に研究の変遷を報告します。
現在は介護福祉の支援のひとつである家族介護者支援について調査を進めています。

 Ⅰ期((2003年~2018年)介護サービスの実態
研究Ⅰ:介護福祉実践のおける評価の視点(実践と研究の融合)
 教育実践、事例研究、聞き取り調査など具体的事象をもとに介護実践の課題を研究という手法を用いて明確にし、解決策を提示するという実践と研究の融合に取り組みました。
(1)介護福祉実践における援助過程構築への方策の検討―訪問介護員への聞き取り調査からー,日本看護福祉学会誌Vol.11 No.2 , 107-119, 査読有,2006.
(2)介護福祉実践における援助過程に関する一考察―在宅介護従事者の「効果をとらえる視点」に着目して,九州社会福祉学vol.2, 23-32, 2006.
 
研究Ⅱ(2007年から2010年):高齢者虐待の防止策(量的調査による実態把握)
 アンケート調査により、介護現場の実態把握、高齢者虐待防止策に関する対策の検討に取り組んだ。
(3)「介護サービスの改善を視点とした高齢者虐待防止策の検討-介護従事者を対象としたアンケート調査の分析から-, 介護福祉学Vol.17,No.2,155-163, 2010.
 
研究Ⅲ(2011年から2014年):地域共生型ケア
佐賀県内で広がる取り組み、地域共生型ケアについて、現場の実践の状況や今後の課題について把握するため、アンケート調査およびインタビュー調査に取り組んだ。
(4)佐賀県における共生型ケアの展開と課題 : 佐賀県地域共生ステーションへの聞き取り調査から、介護福祉学Vol21(1), 16-26,2014.
  
研究Ⅳ(2015年~2018年):介護福祉士のキャリア形成
 管理栄養士や保育士など介護福祉士の生活支援に関わる近接領域の研究者とともに共同研究に取り組み、生活支援専門職の社会的位置づけについて、キャリア形成の観点から研究に取り組んだ。とくに介護保険制度以降(介護の社会化)、キャリア形成の可能性や幅の広がりついて言及した。
(5)介護福祉士のキャリア形成の要因およびプロセスについての一考察-養成校を卒業 した介護福祉士へのインタビュー調査を通して-,介護福祉教育第23巻第2号,2018.
 
Ⅱ期(2018年~現在)介護の社会化と家族支援
研究Ⅰ(2018年~)介護観の変遷
介護サービスの普及により「老いや病、認知症、またそれを支えること」という(介護観)が、社会の中でどのように変化しているのかについて、小説という文学作品を通して考察した。介護サービスの普及・男性の当事者性が、介護観の変化を促進させた可能性が示唆された
(6)文学作品を通して考える介護観の変遷~介護の社会化を再考する~,日本生活支援学会誌, Vol.9,No1,特別投稿論文,2020.
 
研究Ⅱ(2020年~)介護の社会化の達成状況
 システマティックレビューの手法を用いて介護の社会化の到達度を分析した。その結果、介護保険制度の導入により家族の介護負担が軽減したことは現在も証明されておらず、現在の家族介護者の状況を加味して、家族負担を構成する要素を明らかにすることが課題であることが確認された。
(7)介護保険制度による介護の社会化の進捗状況に関する文献検討―家族支援ニーズとの関連―,西九州大学健康福祉学部紀要52(2),2023.
 
研究Ⅲ(2022年~)家族支援の展開
〇自身が参加する認知症カフェの取り組みを通して、家族支援に関する相談支援の役割と課題について取り組んだ。
〇SAGA TSUNAGIプロジェクト「佐賀県におけるヤングケアラー支援に向けた福祉,介護,医療,教育等の連携支援に関する実態及び課題に関する調査」研究代表者:2023年~2024年
〇「家族介護者における介護役割の遂行と親子関係の再構築に関する研究(研究代表者)」科学研究費助成事業:2024年~
(8)認知症カフェにおける家族支援の機能と役割ー支援記録の分析を通してー,西九州大学健康福祉学部紀要53, 2024.
 

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