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スポーツ健康福祉学科

    お知らせ2015.02.10
    本学科所属の河野宥菜さんの活動が毎日新聞に掲載されました

本学科1年の河野宥菜さんが、ブラインドテニスの活動について、1月19日の毎日新聞に掲載されました。

期待のアスリート ブラインドテニスを指導する女子大生

2015.01.19 毎日新聞 佐賀
 ◇福祉を学び障害者へスポーツ指導 体を動かす楽しさ伝えたい--河野宥菜さん(18)


「柵、越えたよ! やったじゃん」体育館に高い声が響く。手には弾むと音の出るスポンジボール。視覚障害者のスポーツ「ブラインドテニス」の指導を県の委託を受け、昨年9月に始めた。
 ブラインドテニスは日本が発祥地。バドミントンのコートで、障害の度合いによって1~3バウンド以内に相手コートにボールを打ち返す。全国大会などが開かれ、パラリンピックの正式競技認定を目指している。
 ブラインドテニスの指導に気をつけるのは、自分が見えているものを、なるべく全て伝えることだ。「あと半歩で届いたよ」「今から少し弾んだボールを投げるからね」と相手の気持ちになって、細かく伝えるよう気をつける。
 障害者スポーツに興味を持ったのは高校2年。テニスのクラブチームで指導を受けていた吉永寛和さん(39)の勧めからだ。NPO「スポーツラボGABAIさが」理事長でもある吉永さんとともに、パラリンピック車椅子テニス代表の川野将太選手が開くテニス教室に参加した。
 「衝撃を受けました。今まで車椅子は移動手段としか思っていなかった。自由に動き回って、スポーツとして楽しんでいた」と当時を振り返る。以降、NPOが主催する車椅子テニス教室などにボランティアとして参加。大学でも社会福祉士目指して、福祉を学ぶことを決意した。
 障害者に接する難しさを感じる時もある。何でも手伝おうとして本人から「そこまでしなくていいよ」と遠慮されたことも……。「自分が良かれと思ってやったことが相手にとって負担になっていた」と自覚した。
 大学で同じく社会福祉士を目指す川原樹(みき)さん(19)に出会った。川原さんは視力がほとんどない視覚障害者。ある日、1人で講義を受ける川原さんに話しかけた。同い年ということもあり、すぐに打ち解けた。
 川原さんと接するうちに、次第に視覚障害者が何を必要としているかが分かるようになった。「階段で少し及び腰になった時は怖いんだなって分かった。講義を受けて、周りが笑っている時は『先生が変な顔をしているから』と教えて一緒に笑った。全てを手助けする必要はないんだなと理解した」という。今は、川原さんへもブラインドテニスを指導している。
 現在、NPOのアルバイト職員として、障害者スポーツ教室の手伝いなどをしている。将来は社会福祉士として働く傍ら、障害者へのスポーツ指導を続けたいと願う。
「障害者の中には外に出たくないという人が多い。一人でも多くの人に体を動かす楽しさ、汗をかく楽しさを伝えたい」と話す。

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